著者
山口 憲二
出版者
新島学園短期大学
雑誌
新島学園短期大学紀要 (ISSN:18802141)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.15-27, 2007

変化するキャリア環境の中で,キャリアデザインの普遍的な意味とは何か,キャリアデザインの方法とは何かを議論する。学生,企業人をはじめ,一般の人々に示すことのできるキャリアデザインの普遍的な意味は,「生き方を意識すること」にたどり着く。そしてその意義は,自律的な生き方,働き方をしているという実感を持つことである。次にキャリアデザインに関する先行研究から,代表的なキャリアデザイン・アプローチを検討し,キャリアツリーモデルというものを導入して,キャリアの全体を視覚的,具体的に捉えることを狙ってその類型化を試みる。類型1:目標逆算型キャリアデザイン,類型2:偶然活用型キャリアデザイン,類型3:節目重視型キャリアデザインがそれである。これら類型はわれわれがキャリアデザインをするとき,自分の好みで選ぶことが出来るものであるが,そのデザインの具現化には,社会人,職業人としてのスキルや能力が必要である。それをキャリアのコンピテンシーとして,キャリアデザインとともに,車の両輪として高めていく努力が必要になる。本論の議論を基礎にして,これを大学におけるキャリアデザイン論の講義に具現化することが今後の課題である。