著者
山口 貫一
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
機械學會誌
巻号頁・発行日
vol.28, no.103, pp.905-916, 1925-11-20

元來偏光彈性學の應用は薄板こ限るのであつて又薄板の場合は其の應力状態が彈性學の理論から知れてゐるものが多い。此の事實が偏光彈性學の發達を促したことは見逃すことの出來ない事實であります。又かくして發達した偏光彈性學を理論によつて解き得ない(單に吾々は多くの假設の上にたてた概略的計算に満足を餘儀なくされて居た)問題に應用して幾多の良い効果を擧げて居る。私は新しい問題として次の實験を行ふこととしました。(i)薄い圓板を平行した二平面で圧縮する暢合の應力状態(ii)薄い圓板の中央に極めて小さい穴を明けた場合其の影響如何(iii)漸時穴を大きくし薄い圓輪に至らしめた時應力状態の変化(iv)在來使用して來た彎曲梁に關する公式の適否セルロイド製試験片の寸法は第一圖に示した通りで其の厚は約3mmであります。