著者
島田 洋一 山口 輝正 鈴木 良次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.97, no.45, pp.39-44, 1997-05-16

等尺性収縮での親指と人差し指による把持力と関与する屈筋群の表面筋電図および指の関節角度を測定し、その実験データを用いて把持力を推定するための神経回路モデルを構築した。このモデルは入力層が8個、中間層が14個、出力層が1個の各ユニットで構成されており、中間層のユニットの入出力特性がシグモイド関数であり、他のユニットは線形の入出力特性である。学習に用いた教師データは異なる8種類の強度の把持力であり、モデルへの入力信号は4チャンネルの表面筋電図信号と4つの関節角度のデータを用いている。10万回の学習で得られた各ユニット間のウェイトを用いて別のテストデータで把持力を推定した結果、この神経回路モデルの有効性が確認され、それぞれの指関節におけるトルクも推定できた。