著者
山寺 喜成
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.343-346, 2021-02-28 (Released:2021-07-13)
参考文献数
1

荒廃した自然を回復させるには,自然の回復力(復元力)を積極的に活用することが重要である。特に,自然の大規模な開発地の緑化,津波による海岸林荒廃地の復旧,地震や線状降水帯等に起因する群発型山崩れの復旧,深層崩壊地の復旧,砕石跡地の緑化,トンネル掘削ズリ堆積地の生態系回復,地砂漠等乾燥荒漠地の植生回復などにおいては,自然の持つ復元力を積極的に活用した方法が望まれる。自然の復元力の存在については,次にあげる4つの現象からその有効性を理解することができる。①先駆植物の旺盛な生育による生育環境の改善,②寄せ植えによる成長促進,③ストーンマルチによる生育環境の改善,④草本植物による土壌生成などである。