- 著者
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西川 幸太
山岸 芳夫
- 出版者
- 一般社団法人 CIEC
- 雑誌
- コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, pp.79-84, 2016-06-01 (Released:2016-12-01)
近年,いわゆる「バカッター」に代表される,情報モラルの欠如が招くトラブルは社会的問題となっており,注目を集めている。そのため,現在は情報モラルの効果的な指導法の模索が急務とされている。我々は従来通りの指導方法である,知識や実例を紹介する事例紹介型指導と,学習者に実際に体験させながら指導する体験重視型指導の二つの指導法について,出来る限り学習因子を一致させた上で教材およびカリキュラムを作成し,大学1年生と3年生の参加者に対し指導を実践,教育効果の差を検証した。その結果,事例紹介型指導を行なった参加者には,事前と事後のテスト結果に有意差はなかったが,体験重視型指導の参加者の結果には有意差が認められた。実験後の参加者による内省文の内容についても,体験重視型指導の参加者の方が学習内容についての記述が多く見受けられた。