著者
山崎 淳一 高野 研一
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.24-33, 2021-02-15 (Released:2021-12-11)
参考文献数
25

現代社会において,顧客ニーズは複雑化し,製品やサービスが提供する価値も複雑化している.顧客ニーズを的確に捉え,複雑化する製品やサービスを効果的に提案するために,多くの企業の法人営業部門では,専門分野に特化した複数の営業担当者が,チームを構成して提案活動を行うことが一般的である.どうすればチームワーク型営業において優れた成果(以降パフォーマンスと表記)を発揮できるのかは企業にとって大きな関心事であるにも関わらず,これまでチームワーク型営業のパフォーマンスを左右する要因は明らかにされてこなかった.本研究では,仮説モデルを基に,営業職を対象としたアンケート調査を実施し,多変量解析による分析を行ってパフォーマンスモデルを作成し,仮説モデルとの比較考察,および個人営業とチームワーク型営業のベンチマークを行った.その結果,チームワーク型営業においては,メンバー個人の真摯で前向きな営業活動や業務姿勢,営業チームの明朗闊達な情報共有,パフォーマンスの3要素間に関係性がみられることを明らかにした.