著者
長嶺 晋吉 久我 達郎 山川 喜久江 鈴木 慎次郎 鈴木 一正
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.17, no.6, pp.227-232, 1959 (Released:2010-10-29)
参考文献数
9

健康な男子4名を被験者として, 1日の生活行動を規定した所要熱量の約30%に当る熱量をアルコールで日本酒にして約1l (アルコールとして121g, 858Calを含む) を毎日10日間にわたつて与え, 体重推移の上から熱量出納に基いてアルコールのエネルギー利用価を検討した。その結果を要約すると, 次の如くである。1. 一定の所要熱量下で糖質に替えアルコールを与えた1週間後には体重は平均約1.0kgの減少を来たし, その減少は投与アルコール量の約1/3に当る熱量を糖質で補うことによつて元の体重に復した。この結果を熱量出納に基いて計算するとアルコールのエネルギー利用価は約65%となつた。2. アルコールの1日尿中排泄量は投与アルコール量の1.1%であつた。3. 1日尿量は対照期の平均1740ccに対しアルコール投与期には2320ccに増量した。4. アルコール投与期間基礎代謝は平均約8%の上昇を示した。