著者
山成 正宏
出版者
日本眼光学学会
雑誌
視覚の科学 (ISSN:09168273)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.98-106, 2017 (Released:2017-12-29)
参考文献数
49
被引用文献数
2

偏光optical coherence tomography(OCT)は通常のOCT強度画像に加え, 繊維組織のもつ複屈折やメラニン色素のもつ偏光スクランブル効果を可視化し, 新たなコントラストを加えることができる。本稿では偏光OCT技術の概要をできるだけ平易に解説する。偏光がOCTに本質的に関わる重要な概念であり, 通常のOCTでは偏光にまつわるアーティファクトが発生することや, 偏光OCTを用いることで通常のOCTでは見えないコントラストを追加できることを示す。応用としてトラベクレクトミー術後の濾過胞瘢痕化の例を紹介する。