著者
西本 勝太郎 山本 憲嗣 塚崎 直子
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.348-351, 1989-04-01 (Released:2012-03-03)
参考文献数
4

副腎皮質ステロイド外用療法時における, 湿疹·皮膚炎病巣部のブドウ球菌数を, ガラス管, 小ブラシを用いた洗浄法によつて測定し, その変動を二薬剤(Difluprednate軟膏およびBetamethasone-17-valerate 0.1% Gentamicin軟膏)について比較した。結果は, 1) 病巣のブドウ球菌数は症状の改善度と並行して減少し, 皮疹が治療した状態では, ごくわずかの菌しか検出されない。 2) 病巣部のブドウ球菌数は, 外用剤に含まれる抗生剤よりはむしろ皮疹の湿潤度, いいかえれば外用ステロイドの治療効果に強く影響された。 以上より, 明らかな感染のない湿疹·皮膚炎病巣に対しては, 充分な強さの外用ステロイド剤の使用のみで良いことを確認した。