著者
山本 祐樹 村越 太 成山 雅昭
出版者
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
雑誌
Journal of Spine Research (ISSN:18847137)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.132-136, 2022-02-20 (Released:2022-02-20)
参考文献数
7

はじめに:当院における骨粗鬆症性椎体骨折症例について調査すること.対象と方法:交通事故及び発症時年齢60歳未満を除き骨粗鬆症性椎体骨折の診断で入院した175例199椎体に対し,発症時年齢,性別,BMI,骨折椎体高位,発症機転,脆弱性骨折の既往,骨粗鬆症薬の使用,発症前の内科併診の有無,入退院時の生活環境について後ろ向きに調査した.結果:平均年齢は82.8歳,性別は男性37例,女性138例.平均BMIは21.5,骨折椎体高位はL1が51例で最多であった.非転倒は49%(86例),脆弱性骨折の既往は脊椎が114例で最多であった.骨粗鬆症薬の使用率は全体では26%(45/175例)で,初回骨折11%(6/56例),既存骨折は33%(39/119例)であった.内科併診ありは89%(156例)であった.生活環境は入院時が自宅87%,施設13%,退院時が自宅61%,施設30%,その他9%となった.結語:入院時の骨粗鬆症薬の使用率は26%であった.骨脆弱性を有する患者の受傷は歩行能力の低下を起こしやすく,受傷前からの骨粗鬆症対策を行う必要がある.