- 著者
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大田 一久
山村 陽一
森澤 好臣
- 雑誌
- 情報処理学会研究報告プログラミング(PRO)
- 巻号頁・発行日
- vol.1987, no.69(1987-PRO-042), pp.1-9, 1987-09-25
LispマシンKS-301 (Explorer)で日本語Common Lisp環境(NCL)を実現した.Common Lispで日本語文字が使用できるのみならず,Explorerのプログラミング環境全体を通して日本語文字の使用を可能にした.Common Lispで日本語文字を英数字とできる限り同等に取り扱おうとする方法は既に提案されている.これは文字コードの上限を大きくすることによって日本語文字を表現し,また文字列の表現を2種類用意することにより日本語文字を含まない場合に記憶領域の消費が増大することを避けている.筆者らの実現法もほぼこれと同等であり,日本語文字をCommon Lispのひとつの文字型オブジェクトとして扱い,文字列,シンボルにも日本語文字を使用できる.日本語文字の文字集合に含まれる英数字などの取り扱いにも考慮した.ウィンドゥ・システム,ファイル・システム,ネットワークでも日本語の使用を一部を除いて可能にした.