著者
山根 基秀
出版者
山口県田布施町立田布施西小学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2008

「研究目的」:地域の自然や歴史・文化を素材に、それらにふれあい、新たなものを創り出していく学習を行う。活動の過程で、地域の人との交流や地域への情報発信の仕方も学び、体験による生きる力と学力向上を連動させ、今後に活用する力を養う授業作りの研究を行う。「研究方法」:地域の自然や歴史・文化を体験する活動を仕組み、そこで学んだ知識や感性を、地域発信という形で表現するとともに、活動過程での基幹学力の定着をねらう学習を展開する。(1) テーマ:「今よみがえる!田布施2000年の歴史~昔のかおゆただようドリームランドの実現をめざして」(1) 田布施町の歴史を調べる~古墳調査、古代米の栽培・収穫・試食(ポンポラ飯、餅つき)他(2) 生活文化の体験~ハゼの実ロウの絞り・絵付け、地元俳人「江良碧松」の研究、昔の遊び他(3) 古代のむらを再現~埴輪や土器、里山体験場作り(学校林活用)(2) テーマ:「ニューカルチャーワールドin田布施~古代から新しい文化の創造をめざして」(1) 古代文化・田布施文化の調査~弥生・古墳時代から中世までの研究(2) 新田布施文化の創造~ハゼの実ロウソクの復活、休耕田を利用したカブト虫飼育他(3) 学習したことを地域の発信!!(1) 西小文化祭の開催~「田布施文化がこだまするin学校林-一人一文化一俳句」→県総合芸術文化祭参加※体験して学んだことを俳句で発表、田布施の生活文化の再現、体験コーナー(そば打ち、自然体験他)の設置(2) 「新聞を教育に」~新聞活用によるかべ新聞作り→全国かべ新聞コンクール発表(入選)「研究成果」:地域の宝「ひと、もの、こと」と積極的に交流することにより、自然や文化の恵みを感じる心や地域や友だちへの感謝の心が育った。また、自分なりのふるさと観を構築し、町の発展への意欲や実践力が高まり、地域創造の態度が培われた。そこから自分たちの町の自然や文化を継承し、創造する活動へ発展し、地域に発信する力やコミュニケーション力などの社会性を身に付け、進んで将来の自分に生きてはたらく活用力を身に付けようとする意識が芽生えた。さらに、教科などとの横断的な活動によって、基幹学力の向上が見られた。また、様々な体験で学んだことを俳句や日記に表したり新聞にまとめたりすることで、感受性や表現力が豊かになり、書く・聞く・話すといった言語活動の充実につながり、確かな学力が身に付いてきたと確信する。