著者
山根 奈那子 吉川 ひろみ
出版者
日本作業科学研究会
雑誌
作業科学研究 (ISSN:18824234)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.41-54, 2022 (Released:2022-06-01)
参考文献数
35

作業バランスを評価する尺度に関する15文献をレビューした結果,16種類の尺度が開発されていた. 測定方法は自記式質問紙が多く,主観的に当事者が作業バランスを自己分析する方法が中心であった.作業バランスを評価する尺度に含まれる定義において,類似した記述内容を共通する要素として抽出し,【作業の量】,【作業のバリエーション】,【自身の価値観との一致】,【作業遂行の結果】の4つのカテゴリに分類した. この 4 側面から作業バランスを調整することで,作業と健康との関連を明らかにする研究を展開できることが示唆された.今後の課題として作業バランスの概念の明確化と可視化が挙げられた.