著者
山田 光宏 佐藤 康二 麻生 明義
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.154-162, 2010 (Released:2011-03-01)
参考文献数
19
被引用文献数
1

人間の様々な動作において1/fβゆらぎがみられるが,ヒューマンアニメーションに1/fβゆらぎを適用した研究は,従来,みられない.そこで,本論文では,人間の動作として拍手を採り上げ,1/f^βゆらぎを用いたヒューマンアニメーションに関して検討している.まず,1/fβゆらぎを拍手の周期や振幅に対して加えた,拍手のヒューマンアニメーションを制作した.次に,SD法を用いて被験者による評価実験を行い,実験結果に因子分析およびテューキーのWSD検定を適用した.その結果,拍手の周期および振幅を一定とした場合よりも,拍手の周期を一定とし拍手の振幅のみに1/fゆらぎを加えた場合のほうが,より自然で,違和感のない,人間らしいものとなった.
著者
山田 光宏 安久 正紘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-03-06

自然現象に広範に現れ, 周波数fに対しパワースペクトルが逆比例するゆらぎとして1/fゆらぎがあり, 人に快適感を与えるとして, 扇風機や空調, マッサージ機等の家電製品の制御に用いられている[1]。1/fゆらぎを発生させる方法として, 素子精度が要求されず, 簡単な回路構成で実現可能であるという利点を有するディジタル回路による方法が提案されているが, 1ディケード程度の周波数にわたるゆらぎしか確認されていない[2]。本報告では, ディジダル回路により容易に実現可能なセルオートマトンを確率的に動作させることにより, 自己組織臨界現象[3]と同様に自然に時間発展し, より広範囲な周波数にわたる1/fゆらぎの時系列が得られることをコンピュータシミュレーションにより示す。