- 著者
-
山田 均志
永井 英
鈴木 一秀
- 出版者
- 日本肩関節学会
- 雑誌
- 肩関節 (ISSN:09104461)
- 巻号頁・発行日
- vol.43, no.3, pp.844-848, 2019
小中学生の投球障害肩の身体特性と保存療法における治療成績を検討することを目的とした.投球側肩痛を主訴に受診し,復帰までの経過観察が可能であった小中学生の野球による投球障害肩15例(平均12.4才)を対象とした.検討項目は単純レ線像の異常の有無により上腕骨近位骨端線損傷無し群(Pain群)と上腕骨近位骨端線損傷群(LLS群)の2群に分類し,機能低下部位,LLS群の骨端線修復までの期間,投球禁止期間,復帰までの期間を比較検討した.機能低下部位について2群間では有意差を認めなかったが,柔軟性やバランス能力などの機能低下を両群ともに高率に認めた.投球禁止期間,復帰までの期間はLLS群では有意に長期間を要した.投球障害の治療は単なる投球禁止のみではなく,メカニカルストレスの軽減や投球フォーム改善へ向けた柔軟性の獲得や機能低下部位に対する運動療法を行うことが重要であると考える.