著者
山田 桐絵
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.1474-1480, 2017 (Released:2017-12-20)
参考文献数
24

液体から胃酸で形状変化する流動食の胃酸pHと乳酸カルシウム水和物(以下,乳酸Caと略)の影響を検証した。in vitroにて貯留胃液40mL(① pH1.2, ② pH1.2+ 乳酸Ca1g, ③ pH5.0, ④ pH5.0+ 乳酸Ca1g)に分泌胃液80mL/hと流動食300mL/hを混成し60分後の残渣の量と粘度を測定した。pH5.0では変化がなかったが乳酸Caを加えるとpH1.2と同様に形状変化した(ハイネイーゲル®/マーメッド®①288.1±12.5g, 9964.7±1401.2mPa・s/225.9±21.2g, 5199.0±1417.7mPa・s,②383.7±23.7g, 28560.7±5687.9mPa・s/385.9±22.2g, 6798.3±888.3mPa・s, ③2.9±0.5g/4.8±0.3g(viscosity measurement impossible), ④247.2±38.3g, 14630.3±3161.8mPa・s, /220.3±63.5g, 2266.3±986.0mPa・s)。胃酸pHの上昇は形状変化を妨げ乳酸Caは促進した。