著者
山田 真里子 平野 敬子 吉田 勉
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
栄養と食糧 (ISSN:18838863)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.261-266, 1978 (Released:2010-03-01)
参考文献数
15

モヤシを市販次亜塩素酸ナトリウム液 (アンチホルミン液) に浸漬した場合の, ビタミンC含量の変化を調べた。その結果, アンチホルミン液処理により, モヤシ中の総ビタミンCは, 未処理とくらべ実験室処理では85% (5~120分浸漬の平均), 工場処理では76%に減少した。この減少のおもな原因は, 浸漬液中へのビタミンCの溶出と考えられる。また, 工場処理では, 水洗中にモヤシの機械的攪拌が行なわれるために, 実験室処理にくらべその溶出量も多くなったと思われる。1/500アンチホルミン液は, モヤシ中のビタミンCに対して酸化剤として作用し, モヤシ中の還元型ビタミンCを酸化型ビタミンCに変化させるが, この液のもつ高いpHの影響によるビタミンCの分解はあまり起こらないと推察された。