著者
高野 純子 山花 令子 山本 則子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.357-366, 2018 (Released:2018-12-25)
参考文献数
32
被引用文献数
1

【目的】全国の緩和ケア病棟における看護師のターミナルケア態度の関連要因を明らかにする.【方法】病棟看護管理者103名,看護師1,671名への自記式質問紙調査.【結果】看護管理者93名,看護師1,112名(有効回答率90.3, 66.5%)を分析.ターミナルケア態度の下位尺度の死にゆく患者へのケアの前向きさ,患者・家族中心のケアの認識の高さは緩和ケア病棟への配属希望(β=0.159, β=0.131, p<0.01)が関連した.ケアの前向きさは,緩和ケア病棟経験年数(β=0.125, p<0.01), 基本的緩和ケアの研修の修了(β=0.065, p<0.05)等10因子,認識の高さは,患者・家族の創作活動支援(β=0.114, p<0.01)等4つが関連した.【結論】前向きなターミナルケア態度を涵養するための,基本を礎にした経験の蓄積と支持的教育,充実した緩和ケア病棟体制の重要性が示唆された.