著者
宮崎 智己 伊原 彰紀 大平 雅雄 東 裕之輔 山谷 陽亮
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.2-11, 2018-01-15

オープンソースソフトウェア(OSS)開発はオンラインでの非対面コミュニケーションを通じた協調作業を基本とする.OSSコミュニティに参加する開発者が快適に継続的に活動を行うためには,開発者がお互いを配慮するためのコミュニケーション上の工夫(本研究におけるPoliteness)が必要になると考えられる.本研究では,Politenessを定量化するためのツールを用いて,OSS開発における膨大な量のコミュニケーションデータからPolitenessを数値化し,開発者のPolitenessと活動継続性との関係を分析する.Apache HTTP ServerおよびPythonプロジェクトを対象とするケーススタディを行った結果,開発者自身のPolitenessと活動継続性には一定の関係があることを確認した.本研究で得られた知見は,開発者の離脱を予防・阻止するための方策を立案することに役立てることができる.Developing open source software (OSS) is collaborative in nature through non-face-to-face communication online. Developers joining an OSS community would be necessary to make communicative considerations (Politeness in this paper) to each other, in order to comfortably continue their efforts for long periods of time. In this study, we analyze the relationship between Politeness and developers' continuous activities, using large-scale communication data in OSS development and a tool to measure Politeness quantitatively. As a result of our case study on the Apache HTTP Server and Python projects, we found that there exists a certain relationship between Politeness and developers' continuous activities. We believe that the findings in this study could be useful to plan a step to prevent long-term developers from leaving an OSS project.
著者
宮崎 智己 伊原 彰紀 大平 雅雄 東 裕之輔 山谷 陽亮
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.2-11, 2018-01-15

オープンソースソフトウェア(OSS)開発はオンラインでの非対面コミュニケーションを通じた協調作業を基本とする.OSSコミュニティに参加する開発者が快適に継続的に活動を行うためには,開発者がお互いを配慮するためのコミュニケーション上の工夫(本研究におけるPoliteness)が必要になると考えられる.本研究では,Politenessを定量化するためのツールを用いて,OSS開発における膨大な量のコミュニケーションデータからPolitenessを数値化し,開発者のPolitenessと活動継続性との関係を分析する.Apache HTTP ServerおよびPythonプロジェクトを対象とするケーススタディを行った結果,開発者自身のPolitenessと活動継続性には一定の関係があることを確認した.本研究で得られた知見は,開発者の離脱を予防・阻止するための方策を立案することに役立てることができる.
著者
山谷 陽亮 大平 雅雄 パサコーン パンナチッタ 伊原 彰紀
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.59-71, 2015-01-15

オープンソースソフトウェア(OSS)を活用したシステム開発が一般的になりつつある一方,「サポートが得られるかどうか分からない」などの理由から,依然としてOSSの活用に躊躇するシステム開発企業は少なくない.本研究では,OSSシステムとコミュニティの共進化のプロセスを定量的に分析するためのデータマイニング手法を提案する.本手法は,時間的順序関係を考慮した相関分析を行うためのものであり,一方の系統の進化が一定時間後に他方の系統の進化に影響を与えるという関係の抽出を支援する.Eclipse Platformプロジェクトを対象に131種類のメトリクスを用いてケーススタディを行った結果,従来の相関分析では抽出できない31件の関係を提案手法により抽出できた.また,抽出された関係を追加分析することで,Eclipse Platformにおける共進化のプロセスをより正確に観察できることを確かめた.