著者
宮武 一郎 田村 利晶 盛 伸行 岡井 春樹 高岸 智紘
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学) (ISSN:21856591)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.II_1-II_8, 2014 (Released:2015-04-08)
参考文献数
5
被引用文献数
4

本稿は,河川事業のうち築堤事業の設計の過程においてCIM(Construction Information Modeling)を適用した結果を報告するとともに,その結果で得られた知見を踏まえ,築堤事業の設計におけるCIMの適用について述べるものである. CIMを設計において試行した結果,CIMの適用によりこれまでであれば顕在化しにくかった図面間の不整合の発見に寄与することや,関係機関との協議や地元関係者への説明に有用な手段となる可能性が示された.一方,CIMを適用した設計においては,相当な業務量を要するところもあった.試行の結果や現状(通常)の築堤事業におけるリスクを踏まえつつ,CIMを適用する場合のプロセス,予備設計・詳細設計それぞれの実施事項を提案し,CIMを設計に適用することにより期待される効果を述べる.