著者
岡崎 好子 早川 俊治
出版者
千葉県畜産総合研究センター
雑誌
千葉県畜産総合研究センター研究報告 (ISSN:13469746)
巻号頁・発行日
no.4, pp.17-23, 2004-11

堆肥の流通状況等を調査し、以下の結果を得た。1.堆肥化施設の保有状況から各家畜ともに堆肥舎や堆肥盤を利用した堆積・切返しによる堆肥生産割合が高かった。その他の堆肥化施設では、乾燥施設や開放発酵施設による機械攪拌は採卵鶏や乳用牛で、密閉型発酵施設は、豚や採卵鶏の利用が多かった。2.堆肥の仕向先は、乳用牛や肉用牛は経営耕地内還元が70%、50%であり、反対に採卵鶏や豚では70%?60%が販売・譲渡であった。3.堆肥の販売は各家畜とも個人販売がほとんどであるが採卵鶏やブロイラーでは地域内だけでなく近隣市町村、県内外の販売や業者販売、農協など外部販売もあった。バラ堆肥(トン)価格は、乳用牛では無償譲渡が50%前後で、採卵鶏が4312円、乳用牛が2754円であった。4.全国養豚基礎調査(千葉県)結果から養豚農家が堆肥利用促進のために行っていることは、耕種農家までの運搬(50%)、堆肥の散布(10%)と6割が運搬・散布を行っていた。また、堆肥運搬や散布はサービスとして行っており、堆肥の成分分析や情報提供の取り組み方に販売農家と無料配布農家で違いがみられた。5.聞き取り調査から、販売が良好な事例では運搬・サービスはもちろんのこと家庭菜園用では堆肥の見本を置く、パンフレットの作成や利用方法の指導サービスを行っていた。