著者
村野 多可子
出版者
千葉県畜産総合研究センター
雑誌
千葉県畜産総合研究センター研究報告 (ISSN:13469746)
巻号頁・発行日
no.7, pp.75, 2007-11

農林水産省農林水産技術会議事務局の委託事業である農林水産バイオマスリサイクル研究「システム実用化千葉ユニット」では、千葉県北東部におけるバイオマス多段階利用システムの構築および実証を目的とし、この課題の共同研究として、当センターでは山田町バイオマスプラントで梨の剪定枝から製炭された木炭を房総地どりに給与した。木炭は消化器系内の有毒物質の除去、下痢止めなどに効果があることや、軟質炭素末に吸着させた木酢液はSalmonella Enteritidis(SE)の増殖を抑制するという報告があることから、今回製炭した木炭がSEの排菌抑制に効果があるかを検討した。
著者
岡崎 好子 早川 俊治
出版者
千葉県畜産総合研究センター
雑誌
千葉県畜産総合研究センター研究報告 (ISSN:13469746)
巻号頁・発行日
no.4, pp.17-23, 2004-11

堆肥の流通状況等を調査し、以下の結果を得た。1.堆肥化施設の保有状況から各家畜ともに堆肥舎や堆肥盤を利用した堆積・切返しによる堆肥生産割合が高かった。その他の堆肥化施設では、乾燥施設や開放発酵施設による機械攪拌は採卵鶏や乳用牛で、密閉型発酵施設は、豚や採卵鶏の利用が多かった。2.堆肥の仕向先は、乳用牛や肉用牛は経営耕地内還元が70%、50%であり、反対に採卵鶏や豚では70%?60%が販売・譲渡であった。3.堆肥の販売は各家畜とも個人販売がほとんどであるが採卵鶏やブロイラーでは地域内だけでなく近隣市町村、県内外の販売や業者販売、農協など外部販売もあった。バラ堆肥(トン)価格は、乳用牛では無償譲渡が50%前後で、採卵鶏が4312円、乳用牛が2754円であった。4.全国養豚基礎調査(千葉県)結果から養豚農家が堆肥利用促進のために行っていることは、耕種農家までの運搬(50%)、堆肥の散布(10%)と6割が運搬・散布を行っていた。また、堆肥運搬や散布はサービスとして行っており、堆肥の成分分析や情報提供の取り組み方に販売農家と無料配布農家で違いがみられた。5.聞き取り調査から、販売が良好な事例では運搬・サービスはもちろんのこと家庭菜園用では堆肥の見本を置く、パンフレットの作成や利用方法の指導サービスを行っていた。
著者
新垣 裕子 高橋 圭二 赤木 友香 村野 多可子
出版者
千葉県畜産総合研究センター
雑誌
千葉県畜産総合研究センター研究報告 (ISSN:13469746)
巻号頁・発行日
no.12, pp.23-29, 2012-11

捕獲されたイノシシの肉の有効利用を促進する目的で、季節別、体重別(生育ステージ別)に肉質調査や肉の加工利用の検討を行った。季節別の比較では、冬捕獲の肉が水分含量、圧搾肉汁率、筋肉内脂肪含量が高い値を示した(p
著者
細谷 肇 斉藤 健一 反町 裕 米本 貞夫
出版者
千葉県畜産総合研究センター
雑誌
千葉県畜産総合研究センター研究報告 (ISSN:13469746)
巻号頁・発行日
no.8, pp.77-82, 2008-11

早場米地帯として早生系品種の早期栽培が定着し、コンバイン型専用収穫機を所有するコントラクタにより飼料イネの収穫作業が1ヵ月強にわたって継続する地域において、収穫期間の各時期で長期貯蔵性を備えた高品質ロールベールサイレージの調製方法を検討した。2006年8月末からの1ヵ月強で23haを収穫した中で、最前期の8月28日刈取りのヒメノモチ(食用品種)、9月21日刈取りのはえぬき(食用品種)、最後期の9月28日刈取りの夢あおば(飼料専用品種)について、乳酸菌(畜草1号)添加の有無を設定し、収穫から10ヵ月及び13ヵ月貯蔵のサイレージ発酵品質とかびの発生状況を調査した。ヒメノモチは適期刈りの黄熟期、はえぬきと夢あおばは刈遅れの完熟期で、前2品種は天候に恵まれた収穫、夢あおばは直前の大雨を経た収穫となった。ヒメノモチとはえぬきの発酵品質は全般的にV-SCOREが良好と評価され、乳酸菌添加によりpHが低下、乳酸含量が増加、酪酸含量が減少し、品質がさらに向上した。刈遅れのはえぬきは、乳酸菌添加では貯蔵期間による品質の差がなかったが、無添加では13ヵ月貯蔵で酪酸含量が増加し長期貯蔵での品質低下が懸念された。夢あおばは添加の有無にかかわらず、同じように乳酸発酵が進行した一方で、酪酸含量が多く発酵品質が劣り、材料草への雨水と土の付着が影響したものと考えられた。かびの発生による廃棄ロスは、いずれの品種も乳酸菌添加の有無と貯蔵期間の違いによる有意な差が認められなかった。いずれの収穫時期においても好条件の適期刈りに近づけるため、秋雨等の季節的状況や農業用水の管埋を考慮しながら、品種の早晩性を踏まえた早場米地帯の飼料イネ作付け体系確立が望まれた。