著者
岡村 輝彦
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.804-807, 1965

概要 リウマチ熱は再発の多い疾患である.リウマチ熱罹患者に対し経口ペニシリン(緩衝ピリミジンペニシリンまたはバイシリンV<sub>2</sub>)または持続作用性のサルファ薬(スルファジメトキシピリダジン)による化学予防を行なった. 1年以上追求した37例の成績はつぎのとおりであつた.全額公費負担による投与にもかゝわらず,充分に内服を行なつたものは全例の54%にすぎなかつた.定期的に咽頭における小林I型溶連菌を検索した成績では,充分に内服を励行した群において,その検出率の減少をみた.また再発率は年間5.7%におさえ得た.これは化学予防を行なわない場合の1/3である.特に弁膜症を遺した群においては再発率を1/5に減少させ得た.