著者
岡林 誠士 工藤 雅人 熊谷 伸子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.542-550, 2018-07-25 (Released:2018-07-25)
参考文献数
20

本論文では,身体装飾としてのタトゥーとピアスに着目し,2 つの目的を設定した.1 つ目は,若年層におけるタトゥーとピアスによる身体装飾のイメージを明らかにすることである.2 つ目は,これらを用いた他者の身体装飾への抵抗感を公共空間という視点から明らかにすることである.都内の大学生482 名に質問紙調査を実施した結果,以下の点が示唆された.タトゥーが持つ両価的なイメージのうち,ネガティブなものは確固としてあること.そして,それは公的自意識と関連する可能性がある.また,公共空間での他者のタトゥー・ピアスへの抵抗感は,肌の露出が一つの要因として挙げられること.但し,他者が外国人である場合,その捉え方は異なる可能性がある.以上を踏まえ,今後さらに継続的な議論を進めたい.