著者
岡田 允
出版者
福山市立大学
雑誌
福山市立女子短期大学紀要 (ISSN:02866595)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.3-8, 2008

本法は、食育の実践として附属幼稚園児に対してパン作りを実践した事例研究である。結果を要約すると次のとおりである。1.パン作りにおける電子レンジ発酵法は、初心者の幼児を集団で指導し、幼児が作って食べるまでの全工程を比較的短時間内に終了することが可能であった。2.幼児が食事作りの一旦が担えるようになったり、もの作りに興味をいだく時期はその機会を多く与えることは大切なことである。今回のパンを作る体験を行った幼児は大変積極的で、かつ技術的にも有能であった。3.食育体験の評価では、全体的に、準備、熱意、レベル、楽しさ、新発見・学びの要素などにおいて、教員、学生、幼稚園の先生の評価は、いずれも好評で引き続き継続を望まれた。4.7種類のパンの諸性状は、基本パンの体積が最小で、他の色とりどりのパンは、いずれもよく膨らみ体積が大きなパンが出来上がった。栄養面は、ビタミン類やミネラルの多いパンや低エネルギーのパンなどさまざまなものを作ることができる。5.学生によるパンについての官能検査結果は、試料間及びパネル間で差がみられた。