著者
岡田 哲郎
出版者
東京通信大学
雑誌
東京通信大学紀要 第4号 = Journal of Tokyo Online University No,4 (ISSN:24346934)
巻号頁・発行日
no.4, pp.47-62, 2022-03-31

国の「地域共生社会」政策で「地域の支え合い」が強調される中、社会福祉学においてその行為をいかに位置付けるかが問われている。本研究では、日本の社会福祉学及び地域福祉の礎を築いた岡村重夫が「相互扶助」をいかに捉え、自身の理論体系に取り入れたのかを明らかにするため、「民俗としての福祉」概念を軸として、「岡村理論」に内在する「相互扶助」をめぐる葛藤を読み解いた。今日の「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」における「地域・民族固有の知(indigenous knowledge)」を先取りした論としても、「民俗としての福祉」概念から再照射した「岡村理論」は注目される。