著者
櫛原 克哉
出版者
東京通信大学
雑誌
東京通信大学紀要 = Journal of Tokyo Online University (ISSN:24346934)
巻号頁・発行日
no.2, pp.157-168, 2020-03-31

本論は、社会の心理学化論と、21 世紀の社会において関心が集められてきた脳神経科学的な知識の流通に関する社会学的研究の動向を要約したものである。社会の心理学化論については、その理論的潮流とそのなかで論じられてきた「心理学」の意味内容、さらには心理学化論に対する批判的な論点を整理した。脳神経科学に関する社会学的研究においては、「心理学と脳神経科学の関係性」と「脳を基軸とした自己とアイデンティティ」の2つの枠組みをもとに整理した。そのうえで、今後の理論的パースペクティヴの展開と研究の展望について検討した。
著者
若林 真衣子
出版者
東京通信大学
雑誌
東京通信大学紀要 = Journal of Tokyo Online University (ISSN:24346934)
巻号頁・発行日
no.2, pp.105-117, 2020-03-31

アルコール依存症(以下、ア症)の主症状は飲酒に対するコントロール喪失であり、現在の医学では治療対象である主症状が「治癒」困難であるといわれている。しかし断酒を続ける事によって、健常成人と一見変わりない社会生活を送ることが可能である。本稿ではア症者の「回復」を支援するネットワークについて注目し、今までの実践例がなぜ有用だったのか、またどのような課題をもっているのか、「連携」そのものの展開過程・促進要因・阻害要因の観点から分析した。結果、展開過程については個人レベルの顔の見える関係性の段階とその先の広がりや連携内容の底上げの段階があり、支援対象となる地域の現状に応じてその内容が細分される可能性があること、促進要因としては研究会や事例検討会を連携体制構築の要としてきた例は多いが複数の観点からこれが有効であることなど、今までの知見・実践例について一定の根拠を示すことができた。