著者
小原 愛子 荒居 日和 岡田 直美
出版者
一般社団法人 アジアヒューマンサービス学会
雑誌
Journal of Inclusive Education
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-9, 2019

本研究では、乳幼児保育・教育のカリキュラム評価に必要な要素について考察するために、保育所保育指針の内容をIN-Child Recordの14領域の観点と、「概念形成」、「才能発掘」、「子育て支援」の観点から分析した。乳児の保育のねらい及び内容は、「姿勢・運動・動作」、「コミュニケーション」が該当するものが最も多く、1歳児以上3歳未満の保育のねらい及び内容は「概念形成」と「コミュニケーション」、3歳児以上では、「概念形成」、「コミュニケーション」、「社会生活機能」が多く該当した。乳児は、運動機能が著しく発達し、首がすわったり寝返りをするようになったりと、概念形成の土台となる「姿勢・運動・動作」が重要となるため、カリキュラム評価の際はそれらについて取り入れることが重要だと考えられる。また、1歳児以上は、「概念形成」を行いながら言葉を獲得したり、思考力を深めたりするため、カリキュラム評価の際も「概念形成」に関して評価を行うことが必要だと考えられる。また、乳児から3歳児以上の保育・教育において「コミュニケーション」は常に重要となるため、コミュニケーションの観点も取り入れたカリキュラム評価を行うことが必要だろう。