著者
諏訪 裕一 豊原 大樹 岡田 達治 漆川 芳国
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水質汚濁研究 (ISSN:03872025)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.261-265,232, 1991-04-10 (Released:2010-01-22)
参考文献数
8

膜分離リアクターによる,有機性模擬廃水中全ケルダール態窒素(TKN)の最大硝化速度を検討した。模擬廃水中に徐々に硫酸アンモニウムを加えることでTKN負荷を増加した。比較的小さいステップ増加率でTKN負荷を上げた結果,前回の実験で得られた最大アンモニア酸化速度の約2倍の速度(0.59gN・l-1・d-1)が得られた。本実験での結果と前報での同じ条件の実験結果とをまとめて解析した結果,負荷のステップ増加率と負荷を増加する時点でのアンモニア酸化速度が,次なる負荷での運転の成否に影響しており,リアクターのアンモニア酸化速度が高くなるにつれてステップ増加率を小さくしてゆかなければアンモニアの残存がおき,リアクターの硝化速度が高くならない場合のあることが考えられた。