著者
岡田 雅邦 新城 拓也 向井 美千代 皆本 美喜
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.136-141, 2012 (Released:2012-03-02)
参考文献数
5

一般には動物を病院に連れてくることは許可されないが, 緩和ケア病棟ではペット面会やセラピードッグの訪問を取り入れている施設が多い. 全国の緩和ケア病棟におけるペット面会許可の現状, セラピードッグ導入の現状につき, 2009年2月現在の緩和ケア病棟承認施設193施設を対象に郵送によるアンケート調査を行い, 149施設(77%)より回答を得た. 135施設で病院敷地内でのペット面会を許可し, うち36施設はペットの宿泊を, 121施設は病室での面会が可能であった. セラピードッグは22施設に導入されていたが, 特に宗教を母体とする施設で有意に多かった. 病室にペットが宿泊できるところは宗教を母体とする施設に, 病棟でのペットとの面会は緩和ケア病棟開設年度が古い施設で有意に多かった. しかし, 無宗教の施設や新しく開設された施設でも, 多くの施設でペット面会が行われていた. 昨今の緩和ケア病棟でも癒しや心の温もりが大切にされていることが示された.
著者
新城 拓也 岡田 雅邦
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.306-310, 2006 (Released:2006-03-31)
参考文献数
12

悪性腹水を伴うがん患者に対して, 腹水穿刺は有効な治療法である. 多くの症例は, 腹水の再貯留により頻回の穿刺が必要であり, 処置の苦痛と合併症を軽減する目的にカテーテルを留置する方法がある. 症例は, 73歳男性の膵臓がん患者. 合併した悪性腹水の貯留による症状緩和を目的に, 中心静脈カテーテルを留置した. 留置から死亡まで21日間, 連日1,000mlの腹水をドレナージした. 合併症であるカテーテル閉塞を防止するために複数の穴を加え, 発生した腹水リークに対しては医療用シアノアクリレート系接着剤(アロンアルファA®)を使用し良好な効果を得た. 中心静脈カテーテルを用いた腹水ドレナージは処置の侵襲を軽減させ, 低コストである. またカテーテル留置による合併症に対する工夫を報告した.
著者
岡田 雅邦 新城 拓也 向井 美千代 皆本 美喜
出版者
Japanese Society for Palliative Medicine
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.136-141, 2012

一般には動物を病院に連れてくることは許可されないが, 緩和ケア病棟ではペット面会やセラピードッグの訪問を取り入れている施設が多い. 全国の緩和ケア病棟におけるペット面会許可の現状, セラピードッグ導入の現状につき, 2009年2月現在の緩和ケア病棟承認施設193施設を対象に郵送によるアンケート調査を行い, 149施設(77%)より回答を得た. 135施設で病院敷地内でのペット面会を許可し, うち36施設はペットの宿泊を, 121施設は病室での面会が可能であった. セラピードッグは22施設に導入されていたが, 特に宗教を母体とする施設で有意に多かった. 病室にペットが宿泊できるところは宗教を母体とする施設に, 病棟でのペットとの面会は緩和ケア病棟開設年度が古い施設で有意に多かった. しかし, 無宗教の施設や新しく開設された施設でも, 多くの施設でペット面会が行われていた. 昨今の緩和ケア病棟でも癒しや心の温もりが大切にされていることが示された.
著者
新城 拓也 岡田 雅邦
出版者
Japanese Society for Palliative Medicine
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.306-310, 2006

悪性腹水を伴うがん患者に対して, 腹水穿刺は有効な治療法である. 多くの症例は, 腹水の再貯留により頻回の穿刺が必要であり, 処置の苦痛と合併症を軽減する目的にカテーテルを留置する方法がある. 症例は, 73歳男性の膵臓がん患者. 合併した悪性腹水の貯留による症状緩和を目的に, 中心静脈カテーテルを留置した. 留置から死亡まで21日間, 連日1,000mlの腹水をドレナージした. 合併症であるカテーテル閉塞を防止するために複数の穴を加え, 発生した腹水リークに対しては医療用シアノアクリレート系接着剤(アロンアルファA®)を使用し良好な効果を得た. 中心静脈カテーテルを用いた腹水ドレナージは処置の侵襲を軽減させ, 低コストである. またカテーテル留置による合併症に対する工夫を報告した.