著者
三富 弘之 大井田 正人 勝又 伴栄 西元寺 克礼 岡部 治弥
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.317-320, 1989-06-30
被引用文献数
1

われわれは,近年開発されたpolyethylene glycol-electrolyte solutionを用いて72例に大腸内視鏡検査前処置を行い,本剤の腸管洗浄効果,安全性,服用後の症状,被検者の評価について検討した。本剤の腸管洗浄効果は良好で,投与前後の血液検査,血圧などは有意の変動はなく,安全性に関しては問題は認められなかった。服用後,腹部膨満感を訴える例が多かった。被検者はBrown変法よりも本法を好む傾向がみられた。他の下剤を併用することにより本剤の服用量を減量する少量投与法を考案した。この方法は腸管洗浄効果に優れている上,腹部膨満感を訴える例も少なく,さらに有用な前処置法であると考えられた。