著者
岡野 ジェイムス洋尚
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

細胞1個もしくは少数の細胞からなる神経回路を狙い撃ちして照射し観察できる放射線医学総合研究所のマイクロビーム細胞照射装置 (SPICE)を活用し、陽子線によって引き起こされる神経活動を経時的に観察した。細胞内カルシウムを可視化する蛍光色素を細胞内に導入し、顕微鏡による経時的蛍光イメージングを行い、マイクロビーム照射時と非照射時のニューロンの活動を比較検討した。細胞はマウス大脳皮質由来一次培養ニューロンを使用した。その結果、照射したニューロンは照射直後に活性化し、逆に照射細胞周辺のニューロンでは活動の低下が観察された。これらの観察から陽子線が神経活動・脳活動に影響を及ぼす可能性が強く示唆された。