著者
山内 和律 梶野 清二 岩上 弦太郎
出版者
北海道立畜産試験場
雑誌
北海道立畜産試験場研究報告 (ISSN:13459643)
巻号頁・発行日
no.26, pp.8-13, 2007-03
被引用文献数
1

大ヨークシャー供試豚1,100頭(雄349頭、去勢232頭、雌519頭)を用いて、肢蹄の得点評価を行い、それらに対する性の影響、遺伝率および産肉形質の選抜による肢蹄の影響について検討を行った。肢蹄審査形質は前肢前貌(front legs/front、FF)、前肢側貌(front legs/side、FS)、前ツナギ(front legs/pastern、FP)、後肢後貌(hind-legs/behind、RB)、後肢側貌(hind-legs/side、RS)および後ツナギ(hind-legs/pastern、RP)の6形質であり、スウェーデンにおける豚育種プログラムにおいて利用されているものである。FF、FP、RSおよびRPにおいて性間に有意な差が存在した。肢蹄審査形質の遺伝率はFP(0.45)およびRP(0.36)を除いて0.09〜0.18であった。肢蹄審査形質間の遺伝相関では、FPとRP間に強い相関関係(0.72)があった他FFとFS(0.56)、FFとFP(-0.54)、FFとRB(0.46)、FFとRS(-0.31)、FFとRP(-0.43)、そしてFSとFP(-0.30)に相関関係があった。肢蹄審査形質と産肉形質との遺伝相関では、平均日増体量(DG)とFF(0.34)、DGとFS(0.63)、DGとRS(0.53)、体長1/2部位の背脂肪厚(BF)とFF(-0.41)、BFとFS(-0.47)、BFとFP(0.41)、そしてBFとRP(0.58)に相関関係があり、DGおよびBF形質に関する選抜により肢蹄スコアが変化することを示唆していた。