著者
岩下 晴彦
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.833-842, 1995-12-31
参考文献数
27
被引用文献数
5

1988年8月24日14時20分頃大阪国際空港(伊丹)付近で発生した突風を解析した結果,この突風は2つのダウンバーストによるものであり,約1時間半前に芦屋市付近で発生して東北東へ進んだエコーと北北西から南下したエコーが合体して成長し活発になった時に発生したことがわかった.ダウンバーストに伴う最大瞬間風速は,空港の滑走路南端寄りの風速計で14.6m/sと18.2m/sでその間隔は8分間であった.空港では強風の発生する約30分前から降水域に入って明瞭な気温降下と約1hPaの気圧上昇があった.2番目のダウンバーストの終了時には一時的で急激な湿度降下(humidity dip)と約1hPaの気圧降下が見られた.地上で降雹は報告されていない.