著者
岩堀 由裕 水野 信也
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-38, no.7, pp.1-7, 2017-06-17

静岡理工科大学では現在脆弱であった情報基盤の整備を進めている.これには当然ながらコスト削減も必要であるが,教育機関として役割を果たすために次のような観点で計画を進めている.(i) 教育にフィードバックできる情報基盤の作成,情報基盤は見えない部分が多く,学生にとっては内部でどのような処理がなされているか見えない部分が多い.これには可視化が欠かすことができず,WiFi やウイルス対策状況など可視化しフィードバックをしている.またデータセンターの見学も行い,実際の運用環境を見ながら教育を実施している.(ii) クラウド環境利用の取り組み,クラウド ・ コンピューティングの環境は様々な場面で利用されているが,本学では教育クラウド環境と呼び,多くの学生に利用されている.また教員にもバックアップを個々で管理できるような環境が整備されている.クラウドの利点を活かし,幅広い利用を実施している.(iii) 情報基盤データの IR 利用,IR の重要性が高まる中,情報基盤データを IR に利用する取り組みをしている.学内には様々なデータがあるが,そのデータ整合性を取るために Office 365 を用いた統合認証環境を導入した.今後 IR を活用し,教育にフィードバックしていく.本研究では現在の取り組みをコストや可用性の面だけでなく,教育への貢献の面からも議論していく.