著者
岩本 秀明 野村 浩郷
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.37(1991-NL-083), pp.7-14, 1991-05-16

法律文の言語モデルを示し、それにより法律文が持つ言語情報と論理情報の両方を共に記述する表現枠組を述べる。さらに、それらを法律文の計算機処理に応用する。法律文には構文的、意味的に制限されて用いられる語や句が多く存在する。これらを考慮すれば法律文に関する制限言語を定義することが可能となる。法律は対象や事象の間の関連を明確に定義するものであるから、法律文の意味表現のベースとして論理表現を採用する。これらより、法律文の表現枠組は、言語情報と論理情報の両方を表現できるものでなければならない。ここで述べる素性論理構造表現はそれらの要求を満たすものである。この表現枠組は、法律の知識ベースを構築し、判例の推論を機械化することへの応用をも意図したものである。