著者
岩田 まな 佃 一郎
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.335-341, 2000-10-20
参考文献数
29
被引用文献数
2

1年以上当科でcommunication治療を継続した143例中, 学齢以上の段階でspeechが獲得できていない自閉症児24例について, その原因を推測した.<BR>(1) 全くspeechのない自閉症児群は24%, speechはあってもcommunicationがとりにくい症例を加えると約40%であった.<BR>(2) 全例に知能の遅れが認められ, speech獲得の大きな阻害要因と考えられた.しかしその中でも, 知能障害が特に強い群と, 自閉症状が前面に出ている群に大別できた.<BR>(3) 知能障害が強い群の中には大頭, C.P., 脳波異常をもつ症例および染色体異常, フェニールケトン尿症の疑いのある症例が含まれていた.<BR>(4) 発語失行を疑う症例が3例あった.<BR>(5) 状況判断の困難, 意思表現の困難など基本的communication能力が不十分なため, 自傷, 他害をもつ症例が半数以上を占めた.