著者
梅津 光生 岩﨑 清隆 松橋 祐輝 坪子 侑佑 笠貫 宏
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.S11_2, 2019

<p>講演者が、本会の生田幸士大会長と、「真の医工連携に必要なこと」に関して意見交換したのは、今から10年以上前である。写真だけを見て仲人の勧めを信じて結婚を決意するような「戦前の見合い」方式では、相手のことがわからず、成果が上がらない、やはり、「一つ屋根の下での同棲生活」でお互いが理解でき、成果が上がりやすいのではないか、との結論を得た。そのコンセプトが、早稲田大学と東京女子医科大学の連携施設であるツインズの創設につながっている。しかし、工学研究者が第一線の臨床医と組んで高い技術を造り上げたとしても一般治療として定着するまでには多くのハードルがある。そこを乗り越えるためには十分な科学的根拠を取得することであり、医療レギュラトリーサイエンスという学問が重要となる。2014年制定の「医薬品、医療機器等の品質・有効性・安全性の確保に関する法律」が、5年を経て、新医療機器の迅速な臨床応用に向けて、さらなる法整備が進められている。その流れの中で、実臨床になるべく近い環境を再現した上で、新たな治療の効果と適正な使用法を説明できるような評価系技術の確立がキーとなり、それを体験できる人材の育成を進めている。</p>