著者
富所 弘充 岸 功規
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
地震工学論文集
巻号頁・発行日
vol.29, pp.1456-1459, 2007

平成17年3月20日に発生した福岡県西方沖地震は、福岡県を中心に甚大な被害を引き起こした。国営海の中道海浜公園においては、園路・広場の亀裂、水道管の破裂、建築物の傾き等多大な被害が発生した。災害時の広域避難場所に指定されている当公園では、地震によって高まった地域住民の防災意識の維持を図ることを目的として、震災地の保存・展示を実施することにした。保存・展示は、既存事例を参考にしつつ、公園の機能を損なわないよう配慮し、自然物である地割れについては原寸大模型を作製、人工物である傾いた建築物については場所の移設、によって実施した。今後は、室内において震災の様子をパネル等で展示することにより、多くの人に震災の脅威や防災の大切さを伝えていきたいと考えている。