著者
木元 道雄 岸本 寛文 西 ひろみ
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.917-921, 2015
被引用文献数
1

がんによる死亡数が年々増加する中,ホスピス・緩和ケア病棟(以下,PCU)のベッド数は未だに不足しておりPCU を医療資源として有効に活用するためには適切で公正な入院判定が重要となる.厚生労働省の緩和ケア病棟入院料の施設基準や病院評価機構の緩和ケア機能の評価項目でも入院判定を適切に行うことを求めている.多くのPCU では入院判定会議が設置されているものの,入院の優先順位を決める明確な基準を公表している施設はない.今回,当科では独自の「緩和病棟入院チェックリスト」を作成し,入院の必要性をスコア化して入院判定に利用した.2013 年度は年間51 回の入院判定会議を開催し,延べ403 例(1 回平均7.9 例)の判定を行い入院の優先順位を決定した.2013 年度の実際の入院患者数は187名(平均在院日数は31.6 日)と少なく,優先順位による判定が必要であった.