著者
島崎 敏一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
建設マネジメント研究論文集 (ISSN:18848311)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.21-28, 1996-11-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
10

1990年代はじめに多発した公共事業の発注をめぐる一連の不祥事および建設市場の国際的な開放の要求に端を発して, 客観性, 透明性, 競争性の高い入札, 契約手続きが求められるようになった. そのため, 不正行為に対するペナルティの強化などを趣旨とする公共事業の入札・契約手続の改善に関する行動計画が平成6年1月に閣議了解された. 不正行為については, 基礎的なデータを得るのが困難であるなどの理由から, これまでは, 理論的な分析はあまりなされてこなかった. 本論文は, 談合などの行為を純粋な経済行動であると考え, ゲームの理論を適用してその発生メカニズムを解明しようとするものである.