著者
島田 拓司
出版者
天理大学言語教育研究センター
雑誌
外国語教育 : 理論と実践 (ISSN:02881942)
巻号頁・発行日
no.40, pp.1-15, 2014

本稿の目的は,Gelfand et al(2006;2011)による厳格な文化-寛容な文化という新しい比較文化研究のパラダイムをレビューし,異文化コミュニケーション研究への適用可能性について検討することである。具体的には,制御焦点理論と文化的自己観理論に関する先行研究に基づき,社会レベルの厳格さ-寛容さという概念と個人レベルの制御焦点(促進焦点vs.予防焦点)の関連を検討し,制御焦点と自尊心の相関を比較した日米比較調査の結果を報告する。そして,この結果に基づき, 社会レベルの厳格さ-寛容さ,個人レベルの促進焦点・予防焦点,および仲介変数としての自尊感情,面子を関連づける理論モデルを提案する。