著者
島田 晶子 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.137-142, 1990-02-05
被引用文献数
3

固形食品の甘味の知覚は, ショ糖がさまざまな割合で固形食品に含まれているにもかかわらず, あまり研究されていない. 味の知覚はテクスチャーや材料などにより影響されるが, 固形食品の甘味の知覚についての総合的な研究はない. 本研究は, まず固形食品の甘味の知覚についての一般的な傾向を明らかにし, 次に知覚に影響する要因を知ることを目的とした. テクスチャー, 材料などを考慮して, キャンディー, メレンゲ, ようかん, チョコレート, クッキーを試料として選んだ. 官能検査で知覚されたこれらの試料の甘味度は, ショ糖溶液の濃度で表して6.7〜25.7%であり, 試料中のショ糖含量(7.8〜80%)にくらべて非常に小さかった. すなわち同濃度のショ糖溶液の甘味より低く感じられた. 食するさいに阻しゃくを必要としない試料の甘味にはショ糖含量が, それ以外の試料にはかたさも影響した. また表面積の増加程度, 唾液量, 吸水量などの影響が示唆された.