著者
島田 浩一
出版者
一般社団法人 日本画像学会
雑誌
日本画像学会誌 (ISSN:13444425)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.387-394, 2020-08-10 (Released:2020-08-10)
参考文献数
15

富士フイルムでは,長年にわたり“ポリウレタンウレア壁マイクロカプセル技術”を導入した感熱·感圧記録材料を開発~販売している.ポリウレタンウレアによるマイクロカプセル壁は界面重合法により形成されるが,マイクロカプセル壁のガラス転移点や力学特性の制御が容易であることから,様々な感熱·感圧記録材料の高機能化に貢献してきた.現在,感熱記録材料として,医療用ドライサーマルイメージャー「DRYPIX Lite」用記録フィルム「DI-HT」などを販売しており,マイクロカプセル技術によって長期保存性と高い透明性による高画質化を実現している.また感圧記録材料としては,マイクロカプセル技術により幅広い圧力領域での圧力分布/圧力バランス測定を可能にした“圧力測定フイルム;Prescale (プレスケール)”の販売も行っている.本稿では,上記“ポリウレタンウレア壁マイクロカプセル”を形成する技術を解説するとともに,現在販売されている記録材料に導入した技術を紹介する.