著者
島田 玄太 関 克己 野原 威一郎 小栗 保二 関本 恒浩 水口 優
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.586-590, 2002

本研究では (1) 汀線近傍の砂面高及び遡上波の水面変動を連続して捉えることが可能な観測システムを開発設置し,(2) それにより得られた台風接近に伴う大規模侵食のデータを基に, 地形変化の実態を報告し, その生じる原因を考察する.その解析から以下のことが分かった.(1) 大規模侵食が1時間強で生じること,(2) 侵食は満潮になる直前に生じていること,(3) 遡上波1波ごとに見た結果, 遡上域岸側では数波の遡上波によってのみ急激な砂面低下が生じていた.侵食の要因としては潮位を含む平均水位の上昇, 正の大きな水位変動を持つ長周期波と風波の3者のタイミングの良い合成によって, 遡上波がバーム頂を大きく超えることが引金となることが確認された.