著者
鯉渕 幸生 小野澤 恵一 中村 格之 原本 英二 片山 浩之 古米 弘明 佐藤 愼司 岡安 章夫 磯部 雅彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.886-890, 2005-10-07 (Released:2010-06-04)
参考文献数
6
被引用文献数
2 3

お台場海浜公園周辺において, 栄養塩類, 大腸菌, アデノウイルスなど雨天時越流水起源物質の時空間変動過程を詳細に観測した. 微生物の変動傾向は, 栄養塩類のそれとは異なり, 大腸菌については数mmの降雨でも, 降雨後数日間にわたって遊泳には不適切な糞便汚染を疑わせるレベルとなった. これらの微生物は下水管路内の堆積物に存在していると考えられ, 降雨量よりも先行晴天日数により濃度が大きく変動する. 現在では, 糞便性大腸菌群数により感染リスクを評価しているが, 細菌類とウイルスの変動過程は異なるため, 今後はアデノウイルス等の観測結果を蓄積することが, 都市沿岸域での感染リスクを正しく評価するために望ましいと考えらえる.
著者
宗景 志浩 Xuan Tuan LE 夏川 優樹 岩崎 望
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.1096-1100, 2002-10-10 (Released:2010-03-17)
参考文献数
11
被引用文献数
1

内湾養殖域の沈降懸濁物と底泥及びヴェトナムのエビ養殖池の海水に含まれる抗生物質濃度を分析した. 人工餌料が使われるようになって沈降懸濁物は減少傾向にあるが, 抗生物質は多量に含まれ, 分解しにくいアンピシリンは底泥中に高濃度で残留していた. エビ養殖池の海水中に含まれるサルファ系抗生物質の濃度レベルは0.05-2.3ppmで極めて高かった. 10~200μMのオキシテトラサイクリン (OTC) 含有培地中でプランクトン (A. klebsii及びS. costatum) を培養した結果, いずれの場合もOTC濃度が高い程吸収されやすくかつ細胞中に蓄積されやすいことがわかった. また, OTCは初期段階でこれらプランクトンの増殖を促進した.
著者
小野澤 恵一 鯉渕 幸生 古米 弘明 片山 浩之 磯部 雅彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.891-895, 2005-10-07 (Released:2010-06-04)
参考文献数
8
被引用文献数
1

台場周辺には, お台場海浜公園を始め親水空間が多数存在するにも関わらず, 水質悪化により水との接触が制限されている. 特に雨天時合流式下水道越流水 (CSO) はその影響が大きいとされているが, 受水域における挙動はあきらかにされていない. そこで, 都市沿岸域における親水空間の利用と健康リスクに対して重要なCSOの挙動を解明するため, ポンプ所からの下水放流量や, 感潮域の流速時系列変動を加味した3次元流動モデルを開発し, 台場周辺海域での流動・CSOの挙動を再現した. CSOの影響が, 潮汐や, 降雨特性によって時空間的に大きく変化することを明らかにし, さらに, 合流改善クイックプランの効果を推算した.
著者
柳澤 英明 越村 俊一 宮城 豊彦 今村 文彦
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.286-290, 2008-10-10 (Released:2010-06-04)
参考文献数
13

The fragility function of mangrove forest was proposed based on field surveys and the numerical analysis focusing mangrove forests affected by the 2004 Indian Ocean tsunami. The curve of growth for mangroves (Rhizophora spec.) was also proposed in order to estimate the change of the tsunami reduction effect depending on the age of them. Using these proposed functions, the numerical modeling was carried out to evaluate a tsunami reduction effect. As the results, we found that the mangrove forest with 10-year-old is mostly destroyed and the reduction effect rapidly decreases when the tsunami inundation depth exceeds 4m.
著者
今井 健太郎
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.291-295, 2008-10-10 (Released:2010-06-04)
参考文献数
13

A statistical analysis by using the filed data of damage of tree in a coastal forest due to a past tsunami was carried out, and the influence factor that contributed to damage of tree due to tsunami was extracted from a statistical analysis. And then, statistical models were developed by using the filed data. The statistical model for lodging rate explains the actual measurement value well by diameter of tree, root form, dn and tsunami inundation depth, The statistical model for destruction rate explains the actual measurement value well by root form, dn and tsunami inundation depth. In addition, actual probability of occurrence of tree damage and the probability of the present model used inundation depth from tsunami simulation were compared, and suitability of the present model was examined.
著者
鈴木 高二朗 竹田 晃 下司 弘之 亀山 豊 清水 勝義
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.331-335, 2005-10-07 (Released:2010-06-04)
参考文献数
3

東京湾フェリー “かなや丸” に設置されたADCPによって, 東京湾口の流向流速を高密度でかつ連続的に得られている. しかし, フェリーが東京湾を出入りする船舶を避けて航行するため観測位置が固定しないため, 通常の調和解析を用いて潮汐成分と残差流成分を分離するのが困難だった. そこで, 3次の空間的な多項式関数として取り扱う解析手法 (3次元調和解析) と標準航路に流速ベクトルを射影することでフェリーの蛇行を無視した解析手法 (射影断面での調和解析) を用いて調和定数を算出した. 観測データからこれらの手法で得られた潮汐成分を取り除くことで, 黒潮系暖水の流入等の残差流成分の推定が可能となった.
著者
重松 孝昌 河野 哲也
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.136-140, 2006-10-10 (Released:2010-06-04)
参考文献数
5
被引用文献数
2

土砂粒子群が水中を運動する際に誘起される水面波の諸特性およびその生成過程を解明するために, 水理模型実験を行った. 水深, 斜面角度, 粒子量, 粒子の初期位置をパラメトリックに変えて実験を行い, 発生波の波高および周期の推定式を誘導した. また, 流跡線連結法なる新たな画像計測アルゴリズムを開発して高濃度固液混相流場における流体運動の計測手法を提案し, その有用性を示すとともに, 水面波の生成過程における流体と粒子群の運動の詳細について検討した.
著者
中野 晋 小野 悟 冨永 数男 村上 仁士
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.1331-1335, 2005

2004年9月5日に発生した紀伊半島沖地震, 東海道沖地震の2回の地震の際の自治体の対応状況をまとめた. 徳島県では概ね震度3, 高知県東部では震度2程度, 来襲した津波高も室戸港で最大0.5m程度であり, 被害は発生していない. しかし, 職員の非常参集体制, 情報収集と伝達方法, 海面監視の方法などの点で検討すべき事項が見出された. これを契機に複数の自治体で津波注意報発令時の配備動員体制を再検討するなど津波防災体制の見直しが行われつつある.
著者
河田 恵昭 奥村 与志弘 越村 俊一 藤間 功司 永井 紀彦
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.261-265, 2004

2003年十勝沖地震津波は我が国の津波予警報システムの盲点を突いた. 気象庁は地震発生4時間後に警報を解除し, それに同調して沿岸部自治体は避難勧告を解除した. しかし, その後になってエッジ波が最大波に匹敵する波高を伴って来襲した. 本研究では, エッジ波の防災上の問題点に着目し, エッジ波の予測に必要な条件を求めた. また, 北海道太平洋岸で発生し得る巨大地震を想定し, 大陸棚上にエッジ波が発生する場合の津波予警報解除の基準を求めるための基礎資料を得た. 特に, 室蘭-浦河間と浦幌-花咲間の予報区では発震後6時間は津波警報・避難勧告の維持が必要であることが分かった.
著者
吉野 純 村上 智一 林 雅典 安田 孝志
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.1276-1280, 2006
被引用文献数
2

本研究では, 台風0416号によって瀬戸内海に発生した広域高潮の再現実験を行い, 高潮計算精度に及ぼす入力気象場の再現性の影響について検討した. パラメトリックな2次元台風モデルを入力値として海洋モデルを駆動させる従来型の手法と比較して, 近年急速に発展しているメソ気象モデルを入力値とする手法は, 極めて高い精度で潮位変動を予測できることが明らかとなった. 日本に接近・上陸する台風の多くは, 中心から遠く離れた場所であっても発達したアウターレインバンド (外縁部降雨帯) を伴うことがあり, 中心付近の壁雲に匹敵するほどの強風ピークを形成することがある. このような複雑な台風気象場を再現できるメソ気象モデルの適用は, 高精度な高潮予測を行う上で不可欠となる.
著者
藤間 功司 鴫原 良典 富田 孝史 本多 和彦 信岡 尚道 越村 俊一 藤井 裕之 半沢 稔 辰巳 正弘 折下 定夫 大谷 英夫
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.1381-1385, 2005
被引用文献数
2

2004年12月26日に発生したインド洋津波は, 震源から2, 000km離れたモルディブでも人的・物的に大きな被害をもたらした. そこでモルディブで現地調査を行った結果, モルディブの痕跡高が0.6-3.4m程度であること, リーフが発達している場所でも必ずしも痕跡高が小さくなっているわけでないこと, また南マレ環礁で複雑な流れが観察されており, 環礁内の津波の挙動が複雑であることなどが分かった. モルディブの津波に対する安全性を高めるには強固な構造物や人工地盤などの整備が必要である.
著者
後藤 仁志 原田 英治 高山 知司 水谷 雅裕 不動 雅之 岩本 晃幸
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.781-785, 2005

本稿では, 大波浪の襲来を受ける外洋に直面する防波堤周辺に設置された消波ブロック群の沈下機構の一つとして, 波力によるブロック群の高密度化に関して, 現地計測と数値シミュレーションの両面から検討する. 水面下のブロック群低脚部の時化後のブロック配置をマルチビームソナーにより計測し, 消波ブロック群支持層の沈下の有無を明らかにするとともに, 個別要素法型の3Dブロックモデルを用いた数値シミュレーションによって, ブロック群の高密度化過程を計算力学的に検討する.