著者
崔 仁煥 有山 襄
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.96, no.3, pp.259-265, 1999-03-05 (Released:2008-02-26)
参考文献数
23

MRCPは非侵襲的に膵胆管像を描出できる画期的な画像診断法であり,診断的ERCPにかわる新たな検査法として有用性を発揮している.MRCPは,閉塞部より上流の膵胆管像や炎症にともなう滲出液の拡がりなど,ERCPでは得られない多くの情報を提供する.そのため,胆膵疾患に対するより深い理解と,詳細な病態の把握にもとづく診断および治療計画を可能にし,ERCPによる合併症の減少にも貢献する.また,外来で簡便かつ安全に施行できるため,胆膵疾患の早期診断や経過観察にも有用性が高い.MRI断層像と組み合わせることにより,さらに精密な診断も可能となる.今後,空間分解能の向上とともにますます発展,普及するものと考えられる.