著者
嵯峨 基生 庄野 利之 新良 宏一郎
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.69, no.11, pp.2225-2228, 1966-11-05 (Released:2011-09-02)
参考文献数
9
被引用文献数
5

シュウ酸アミドラゾンと二塩基酸クロリドの重縮合を検討した。モデル化合物として,シュウ酸アミドラゾンと塩化ベンゾイルの界面あるいは溶液反応でN-ベンゾイル-シュウ酸アミドラゾンを得た。この物質はジクロル酢酸のような強酸中で加熱するとフェニル-1, 3, 4-オキサジアゾール誘導体にすることができる。一方, 減圧下, 300℃ で加熱するとフェニル-1, 2, 4-トリアゾール誘導体に導くことがでぎた。シュウ酸アミドラゾンと種々の二塩基酸クロリドとの界面あるいは溶液中での重縮合で高分子量のポリ-N-アシルアミドラゾンを合成した。これらの方法で得られたポリ-N-アシルアミドラゾンをジクロル酢酸中で加熱すると対応するポリフェニル1, 3, 4-オキサジァゾールとなった。しかしながら, 真空下320℃ で加熱しても脱水環化によりポリフェニル-1,2,4-トリァゾールに誘導するのは困難であった。これらのことから,ポリ-N-アシルアミドラゾンの2次処理では脱アンモニア環化によるポリフェニル-1, 3, 4-オキサジアゾールの生成が脱水環化によるポリフェニル-1, 2, 4-トリアゾールの生成よりもおこりやすいものとおもわれる。