著者
嵯峨 謙一 大目 祐介 河本 和幸
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.390-394, 2018 (Released:2018-08-31)
参考文献数
8

症例は65歳の男性で,2年5カ月前に直腸癌および同時性肝転移に対して低位前方切除,D3リンパ節郭清を行った.病理結果はSS,N1,M1a(HEP)であった.CapeOX療法による化学療法を開始した.治療効果PRであり,1年7カ月前にALPPS手術一期目(S3部分切除,門脈右枝結紮,肝切離),二期目(右葉摘出)を施行した.術後補助化学療法(UFT/LV)施行中の1年2カ月前に肝転移再発3箇所を認め,Capecitabine+Bmab投与を開始した.新規病変は認めず,手足症候群のため化学療法継続困難のため,腹腔鏡下肝部分切除3箇所を行った.現在,最終手術から11カ月無再発生存中である.大腸癌肝転移は,術後再発も起こりうるため,再肝切除の可能性に留意が必要である.本症例では,ALPPS術後に腹腔鏡下肝切除を行いえており,文献的考察を加え報告する.