著者
嶋田 和子
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.172, pp.33-47, 2019 (Released:2021-04-26)
参考文献数
15

日本語学校における教師研修は,かつては各学校任せとなっており,横のつながりは薄いものであった。しかし,学校および教師自身の意識改革などにより,日本語教師の質の向上への関心の高まり,日本語学校間のネットワーキング構築等が進み,教師研修の在り方・実態も大きく変わってきた。とはいえ,ここ数年学習者数の急増などにより,日本語学校における教師研修の在り方にも問題が生じている。 そこで,本稿では日本語学校の持つ特殊性を述べ,教師教育という観点からこれまでの流れを概観し,さらに,現在の課題を明確にする。その上で,文化庁が2018年3月に出した「日本語教育人材の養成・研修の在り方について」をもとに,日本語学校における教師研修について考察する。また,教師研修をより効果的に行うには,対話による実践の共有,他機関・他領域等との連携・協働のシステム作りが求められるが,本稿では連携を軸に4つの提言を記す。